心療内科・精神科

こんなことで受診してもいいのかな・・・?と不安に思われる方も多いようです。

下記によくある症状の例をいくつかあげてみました。その他の症状でもお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

  • 気持ちが落ち込んでいる
  • 不安感が強くてイライラする
  • これまで楽しめていたことが楽しくない
  • よく眠れない、夜寝てもすぐに目が覚めてしまう
  • 仕事のストレスで辛い
  • 集中力が落ちて考えがまとまらない
  • すぐに涙が出てしまう
  • 憂うつでやる気が出ない
  • 突然息苦しくなり強い恐怖感に襲われる
  • 人との交流で極端に緊張してしまう
  • 何度も手を洗ったりしてしまう
  • 鍵が閉まっているか何度も確認してしまう

睡眠障害

ストレスな出来事や環境の変化などをきっかけに眠れなくなったり、偶然眠れなかったことをきっかけに「また眠れなかったらどうしよう」という不安が強まり、眠ろうと努力して返って目が覚めてしまったりすることがあります。また、本当は眠れていてもご自分では全く眠れていないと感じることもあります。

睡眠障害の治療は基本的には睡眠衛生指導です。まずはご自身で睡眠状態を記録するようにしてご自分の睡眠を客観視することが大切です。睡眠は個人差が大きいため、ご自分に合った睡眠習慣を身につけるようにします。平均睡眠時間を割り出し、起床時間を決めて床に就く時間を設定します。日中は眠くてもいつも通りの生活を送るようにします。薬物治療はあくまでも補助的なもので、生活指導が主体となります。ストレス因や環境因により不眠をきたしている場合は、その要因を解消することも必要となります。

うつ病

強い憂うつ気分とともに、「考えがまとまらない」「意欲が出ない」などといった精神的な症状と、「疲れやすい」「眠れない」などの体に現れる症状が長く続き、日常生活に支障をきたす病気です。脳内にあるドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、などの心のバランスを保つ作用のある物質が減少することが原因だと言われています。年々患者数が増えており、日本人の15人に1人が生涯のうちに一度はかかる、という調査結果も報告されています。うつ病は、心の弱さが原因で発症するものではありません。医師の診察と適切な治療をしっかり受ければ、治すことができる病気です。

うつ病の治療で一番重要なのは身体と心の休息です。休息をとることに罪悪感を感じてしまう方もおられますが、まずはしっかり身体と心を休めることが大切です。治療はうつ状態を抑える薬(抗うつ薬)の処方と、患者様の回復状況に適した生活に関する助言を行います。抗うつ薬は以前までは副作用の強いものが多かったのですが、最近では多くの薬で副作用が少なくなりました。

強迫性障害

ある考え(自分の手が汚れているのではないか、車で誰かを轢いてしまったのではないかなど)が自分の意思とは関係なく何度も頭に浮かび、払いのけることができなくなる強迫観念と、ある行為(ガス栓や鍵を何度も確認する、手を何度も洗うなど)をしないと気がすまなくなる強迫行為がみられ、日常生活に支障があらわれる病気です。

主にSSRIという心のバランスを調整する薬で治療を行います。薬の量や種類はご本人の状態に合わせて適切に調整します。

パニック障害

動悸や息苦しさなどの自律神経の症状とともに激しい不安が発作的に起こる病気としてパニック障害があります。 男性より女性に多く100人に1~5人ぐらいの割合で発症するといわれています。最初の発作はおおむね30歳前後に経験することが多いようです。また、パニック障害には高い割合で「うつ症状」を併発することも知られています。 症状は、心臓がドキドキする、汗をかく、身体や手足の震え、呼吸が早くなる・息苦しさ、胸の痛みや不快感、目まい・ふらつき、このまま死ぬのではないかという恐怖、寒けまたは、火照りなどがあります。しかし、いろいろな検査を受けても身体の異常はどこにも見つかりません。また、何度か発作を経験した方は、発作を引き起こしやすい状況を避けることが習慣になり、日常生活の支障となって現れてくることがあります。

パニック障害の治療は、パニック発作をできるだけ消失させることです。薬物療法は、発作が生じたときに改善する薬剤と、発作の予防効果を持つ薬剤を組み合わせて行うことが一般的です。

社交(社会)不安障害

「人前で何かをするときに失敗をしてしまうのではないか」。このように、悪い評価を受けることや、注目を浴びる行動への不安から強い苦痛を感じたり、体の症状が現れ、次第にそうした場面を避けるようになり、日常生活に支障を来すことを、社交(または社会)不安障害といいます。 恥ずかしいと思う場面でも、多くの人は徐々に慣れてきて平常心で行動できるようになりますが、社交不安障害の人は、そういった状況を経験するたびに羞恥心や不安感が募り、そうした場面に遭遇することへの恐怖心が強くなっていきます。また、強い不安症状が自律神経に作用し、さまざまな身体症状を発症することがあります。代表的な症状は、「顔が火照る」「脈が速くなり、息苦しくなる」「汗をかく」「手足、全身、声の震え」「吐き気がする」「口が渇く」などです。

社交不安障害の治療は、薬物療法などを用いて、恥ずかしいと思う場面での成功体験を重ねることによって慣れが生じるように試みていきます。

経前症候群/月経前不快気分障害

月経前症候群(PMS)とは月経の1~2週間位前から起こり、月経開始とともに消失する、周期性のある一連の症状を示す症候群を指します。PMSは身体的症状(下腹部や乳房の張りや痛み、頭痛、むくみ、食欲亢進=こうしん=など)と精神的症状(気分の落ち込み、怒りっぽくなる、いらいらする、不安など)を引き起こします。これらの症状は、排卵後に分泌される女性ホルモンの作用によって生じており、月経周期を持つ女性ではほとんどの方が何らかの症状を経験しているといわれています。PMSの中でも、特に精神的な症状が重症であるものを月経前不快気分障害(PMDD)と呼び、症状が似ているうつ病やパニック障害と間違われて診断をされていることもあります。

PMS、PMDDに共通した対処法ですが、まずは毎日の症状の記録を付けて月経周期と症状の関連を調べていきます。薬物療法としては、身体的な症状には消炎鎮痛剤や婦人科で処方が受けられる低用量ピルが、精神的症状には選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる抗うつ薬や抗不安薬が用いられます。

抗不安薬と睡眠薬の常用量依存

不安を抑えるための抗不安薬(安定剤)と睡眠薬のほとんどに、わが国では、ベンゾジアゼピン系の薬剤が用いられています。この系統の薬剤は、処方量を守って服用していても軽い依存を生じることが知られており、この状態は常用量依存と呼ばれています。ただ、常用量依存の状態は一般的な薬物依存のイメージであるような、規定量以上の薬物を求めたり、薬物を服用して異常な考えや行動を現すことはなく、ほとんどの場合は日常生活に大きな支障は生じていません。服薬を中断した際の不安や不眠のために薬物を手放せないことを患者さんは悩まれています。

常用量依存の場合、急に薬を中止することは、離脱作用で強い症状が現れたり、そのために、かえって服用を中止する動機付けを失ってしまったりすることがあります。医療機関ではそのような場合、一時的に他の薬剤に置き換えたりすることで、最終的に服薬を終了するといった方法を取ります。